“アー”ツクール つれズレなるまま - BreakerProject.net

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地域に根ざした作品、活動、しくみを生み出すアートプロジェクトの実験
「まちが劇場準備中」

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レポート:立江地蔵ワークショップ

img09040011_1 img09040011_2 img09040011_3 img09040011_4 2008年12月4日
今回のプロジェクトの舞台となる山王町には17ものお地蔵さんがあります。少し前までは20のお地蔵さんがあったと、地元の山王女性会の方が作られた「山王町の地蔵尊」に記録されています。なぜこの地域にはこんなにもたくさんの地蔵があるのでしょうか?
まちかざりの実験:デコポリというのは、まちの中に既存しているものをうまく使って飾り付けをしていくもので、僕はこのお地蔵さんに灯を入れることができないかと思い、地蔵がある祠(ほこら)につるす提燈(ちょうちん)を作ることにしました。またデコポリの作品を作る上でテーマとなっていたのが、身近なもので必要なくなったものを使って飾りを作る、ということで素材に透明の卵のパックを使用することにしました。
そして今回、僕一人で提燈を作るのではなく、この地域に住み、地蔵のお世話をされている方との共同作業で作ることにしました。
2つの地蔵に設置することに決まり、立江地蔵(たちえじぞう)に飾る提燈を作るこの日のワークショップには、山王女性会の方が3人参加してくださいました。

まず提燈のフレームになる卵のパック3つを接着剤で繋いでホッチキスでとめておきます。参加してもらった方々は本当にこれが提燈になるのか、かなり戸惑いながら作業されていました。確かにこの段階では全然イメージがつかないですよね…。
卵パックの接着を待っている間に提燈の芯の部分の制作に入ります。半紙をラミネートで加工したものを筒状に丸め、筒の中に豆球をセットすると提燈の芯が出来上がります。そしてこの作品のポイントとなるのがこの芯の部分にあり、半紙にお地蔵さんに宛てる短い手紙を書いてもらうことにしました。
いつも自分の身近にあったお地蔵さんに手紙を書いたことなどないため、最初はかなり悩んでいらっしゃいましたが、参加してもらった人それぞれのメッセージを書いてもらうことができました。
今までありがとう、これからもよろしく。子どもたちを見守ってくださいなどの温かいメッセージを書いていただけました。このメッセージはお地蔵さんに届いたでしょうか…。

やがて、卵パックの接着も終わり、最後に芯の部分と卵パックを接着します。
最後に部屋の明かりを落として提燈の明かりをつけてみました。
明るすぎることのない、優しい光が灯るととてもきれいで落ち着いた気分になれます。参加してくださった女性会の方もものすごく喜んでくださいました。
卵パックに反射した光がきらきら光っています。

藤 浩志

アートの概念を美術史の中に位置づけるのではなく、「社会的に価値を認められていない存在(意識)を特別な存在として立ち上げるテクノロジー」として捉え、「地域資源、適正技術、協力関係」を活用した提案(デモンストレーション)型の表現活動を試みる。地域社会における対話と実験の現場をデモンストレーションという手法で立ち上げ、そこから発生するイメージの連鎖を重要視する。
http://www.geco.jp/
long interview [log-osaka]

まちが劇場準備中

2008年度は、ナビゲーターに美術家・藤浩志を迎え「地域に根ざした作品、活動を生み出す」ための実験として、約半年かけて新世界、西成周辺のフィールドワークを行います。そこから様々な「ズレ」を発見しつつ、対話を重ねることで立ち上がってきたプロジェクトを、まちを舞台に展開します。「まちを劇場にみたててシーンをつくっていく」また「日常の面白さをシーンとして再発見していく」そして、このプロジェクトはイベントではなく、「次につながっていくプロセス」ということで、タイトルは「まちが劇場準備中」。

  • *協力:(財)西成区コミュニティ協会/大阪市立デザイン教育研究所/大阪芸術大学教職員組/新世界町会連合会/新世界市場商業協同組合/通天閣本通商店街/ジャンジャン横丁/山王社会福祉協議会/山王女性会/山王連合振興町会/飛田連合振興町会/飛田地区商店街連合/飛田新地協同組合/飛田新地料理組合/通天閣観光株式会社/豊年食品株式会社(順不同)
  • *主催:ブレーカープロジェクト実行委員会/大阪市
  • *助成:(財)地域創造
  • *企画:雨森信
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