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【レポート】「作業場を作ってみる!-実験その3-」

2015年8月15日(土)レポート

【レポート】「作業場を作ってみる!-実験その3-」

昨年より今宮エリア(西成区)で美術家・きむらとしろうじんじんとともに取り組んできたプロジェクト。その次の展開として、この3月末で閉校となった今宮小学校の片隅に眠っていた陶芸窯を中心に、地域に開かれた作業場をつくっていこうと準備を進めています。

4月25日、校庭にある体育倉庫の清掃から始まった「作業場を作ってみる!--実験その3--」。2回目となる、6月6日(日)は、再び校庭を開き、集まったメンバーとここで何ができるかをいろいろ試しながら探ってみようという一日でした。
今日のメニューはこちら。

 ○体育館のうらで畑を作ってビワの苗をうえる
 ○グラウンドの土と粘土をまぜて粘土あそび
 ○倉庫からいろいろなものを出してあそぶ
 ○ボールに空気を入れる


体育倉庫では、すぐ近所にある福祉施設「NPO法人アザリア」のメンバーや昨年11月の「野点+いまみや妄想ひろば」でスタッフに入ってくれた方たちが土を捏ね、
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グランドでは、近所の児童館「今池子どもの家」の子どもたちが、キャッチボールやサッカー、ソフトバレーボール投げ。運動場のまわりの渡り廊下では、空間デザイナーの坪田直さん※が、野球のヘルメットや縄など使わなくなった廃材を引っ張り出して試行錯誤。
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体育館裏にある元々畑だった場所では、ダンゴ虫を夢中になって集める子どもの横で、地域の方が土を耕し畝づくり。
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大人も子どもも目的がある人も、ない人も、それぞれが自由に時間を過ごしました。


私は、元・今宮小学校に通っていた小学3年生トリオと彼らが作っていたという秘密基地に入って今宮小学校時代の思い出話を聞いたり、畑の雑草を抜いて土を耕したり。移り気な三人組でしたが、「秘密基地にハンモック作りたいな」とか「畑に何植えようかな」とか、会話の中からこの作業場のイメージを膨らませていくことができました。
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私は社会に出てから十数年経ちますが、目の前の課題をこなすことに慣れすぎているなと感じます。これから創造していくという場にぽんと立たされると、何をしたらよいのかを探すのに必死で、身のやり場に困りそわそわしてしまいます。それに比べ、子どもたちは、虫でも木の葉っぱでも、畑に生えていた穂月の実でも、面白いものを見つけ熱中していきます。その姿には感心させられるし、ほほえましい場面もたくさんありました。
これから、自分たちが必要な遊び道具や作業に必要なものを作っていきます。私は、ハンモックの作り方を調べていこうかな・・・
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開かれた場としての安全管理やルール作りなど課題も多いですが、じんじんさんが大切にしていることを、参加する地域の子どもたちが嗅ぎ取ってくれたらなと願います。


(サポートスタッフ:室谷智子)


※坪田直さんは、クリエイティブユニット・MGNT(マグネット)のメンバーで、大阪、九条の長屋を活用したシェアスタジオFRAMEを拠点として、店舗等の空間デザインや設計、自主施工のサポートやDIYワークショップなど様々な活動を行っています。昨年開催した「野点+いまみや妄想ひろば」では、看板や表示デザインの制作を担当してもらった経緯もあり、引き続き「作業場をつくってみる」でも、学校に残っている廃品を活用したものづくりや作業場づくりなどに関わってもらっています。

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