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residency program|
岩谷雪子 IWATANI Yukiko

Breaker Project 2022-2023

residency program|<br>岩谷雪子  IWATANI Yukiko

西成で植物を採集するということ
プロジェクト期間|2022年10月-2024年3月
展覧会|2024年3月1日(金) -3月17日(日) 13:00-19:00 *close月〜水 

Collecting weeds in Nishinari
Project Period |October 2022 - March 2024 
Exhibition|March 1- March 17, 2024


2022-2023年度のレジデンスプログラムとして、美術家・岩谷雪子を招聘しプロジェクトを展開しました。岩谷は、雑草と総称され普段は見過ごされがちな植物に注目し、個々の形状や生態を注意深く観察しながら、採集した植物を乾燥させて再構成する立体やインスタレーション作品を制作する作家です。今回は、都会のなかで逞しく(またひっそりと)自生・共生する 植物をリサーチし、そこで見えてくる風景やその背後にある事象にもまなざしを向け、一年以上かけてのフィールドワークとなっています。

植物を通して西成というまちに出会った岩谷は、採集した空き地や公園などを中心にその土地の変遷や記憶を聞き取るなど、文化人類学的な手法にもアプローチしています。またその過程で収集したものや道端で見つけた(拾った)ものなども作品の要素となり、展覧会ではまちなかに作品を点在させる展開となっていきました。

来場者は、メイン会場となったイチノジュウニのヨンのほか、昔ながらの銭湯や宿屋、路地裏にある地蔵の祠など、周辺のさまざま場所(6ヶ所)に設置された作品を探してまちを歩き、刻々と変化していく風景や路傍の雑草と出会いながら、岩谷が行ったフィールドワークを(部分的ではありますが)追体験することになります。それは、作品の鑑賞にとどまらず、私たちの生活を取り巻く環境や社会状況にそれぞれが思考を巡らせる契機となったのではないでしょうか。


The Breaker Project continues its work in Nishinari, Osaka by inviting artist IWATANI Yukiko to develop a project for her 2022-2023 residency. IWATANI collects plants that are often overlooked and referred to as 'weeds,' studying their forms and ecologies--and drying and reconstituting them--to create her sculptures and installations. Over the course of her residency, she conducted fieldwork and observed these plants quietly flourishing in urban environments, directing her gaze to the landscapes that unfold there and the underlying phenomena behind them.

In exploring the vacant lots and parks where she collected plants, IWATANI learned about Nishinari. Her research also took an anthropological approach, including interviews with residents about their memories of the place and the ways it has changed. The objects she collected--including those found on the side of the road--became elements of her artworks, which she installed throughout the neighborhood. Her exhibition thus extends beyond the main venue of Ichinojuninoyon to six satellite locations, including an old bathhouse, a hostel, and a shrine in an alley.

Traveling to these sites, the public can engage with the evolving urban landscape and its roadside 'weeds,' as if echoing IWATANI's fieldwork. This is an opportunity not only to appreciate art but reflect on the comprehensive environmental and socio-economical dynamics affecting our lives.


Breaker Project 2022-2023

西成で植物を採集するということ

展示協力|高橋和広(KUSUNOKI WORKS) グラフィックデザイン|髙橋静香
共催(アーティストトーク)|大阪中之島美術館
協力|山王地域活動協議会、山王訪問看護ステーション、山王こどもセンター、C-index(イチノジュウ二のヨン)、助六、日之出湯、福田屋、株式会社サミット不動産、ひと花センター、どーん!と西成、野崎 健(全日本港湾労働組合関西地方本部建設支部西成分会)、市川正士 ほか作品制作に協力いただいたみなさま(敬称略・順不同)  

主催|ブレーカープロジェクト実行委員会
(大阪市、特定非営利活動法人記録と表現とメディアのための組織、一般社団法人brk collective)
助成|一般財団法人地域創造
ディレクター|雨森信 事務局|阿部恭子、高岩みのり

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岩谷雪子|IWATANI Yukiko
1958 年札幌市生まれ、高知市在住。武蔵野美術大学日本画科卒業。植物による立体、映像、インスタレーション等の作品を制作。植物のありのままの姿やその周辺の環境を含めて観察し、特に普段見過ごされがちな雑草などの小さな存在に目を向けると同時にそれらの生命の声を聴く、或は感じるための場としての表現を追求する。
近年の主な展覧会に「はならぁと」(奈良, 2022年)、「MIND TRAIL」(奈良, 2022年)、「六甲ミーツアート」(兵庫, 2019/2021年)、「植物は、うごく」高知県立牧野植物園(2020年)、「BIWAKOビエンナーレ」(滋賀, 2018年) 、「Moving Plants」Rønnebæksholm(デンマーク, 2017)、「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」(新潟, 2015年)など、芸術祭やグループ展に出品するほか、The Third Gallery Aya (大阪)や高知、東京などで個展も開催する。六甲ミーツアート2019 では公募大賞グランプリを受賞。https://iwayuki249.wixsite.com/yukiko-iwatani

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