【レポート】新プロジェクト始動!まずはトイレ改修
2011年7月20日(水)更新レポート
いよいよ今年度もスタートします。
2011年度は、空家や空き店鋪などを活用した創造活動拠点を創出し、若手アーティストの作品制作スタジオや発表などの場として整備すると同時に、地域住民と先端的な芸術活動をつなぐ場として機能させ、地域に根ざした表現活動を展開します。
そこで、活動拠点の一つとなる西成区山王町にある空きアパート「福寿荘」の改修作業を大家さんと共に進めています。
このアパートは、阿倍野区と西成区のちょうど境界線に位置し、上町台地の崖線の中腹に建つ見晴らしのいい場所にあります。背後には大阪市立大学医学部付属病院や再開発によって建てられた高層マンションが立ち並び、最近オープンした大型ショッピングモールも近いことから、このエリアにも徐々に開発の波が押し寄せ、古いアパートが順に新しいものに建て替えられているような場所でもあります。
しかし、活動拠点「福寿荘」の大家さんは、戦後に材木の輸送から建設までをご自分でなさったこのアパートへの愛着から、この場所を壊すのではなく、補修しながら地域の子どもやお年寄りが集えるような場所にしていきたいという考えでおられました。
2008年に事務所をフェスティバルゲートから移転してから、活動エリアに継続的な拠点を持てずにいる不便さを常々感じていた私たちの思いもあり、何か一緒にこのアパートをつくっていくことができないか、また拠点を創出することで、より地域に根ざした表現活動を展開できないかと、今年度から新たなプロジェクトを実施していくことになりました。
そこで、まずはこのアパートの古くなったトイレ、水回りの作業から実施ということで、今年の春、建築を学んでいた大学を卒業した飯坂くんが、元ある空間を活かしつつ壁や便器を壊していく作業を実施。
大家さんがこねて塗った土壁、錆ついて古くなった釘を丁寧に取り外していきます。和式便器も下水の配管を壊さないよう慎重に割っていきます。
普段当たり前に使っているトイレ。
こういう仕組みで作られているのだと、壊しながら学んでいくことができるので、大学での勉強とはまた違った実践型の学習?に「勉強になります」と飯坂くん。
このようにして、これから様々な活動をしていきたいと考えている学生や若い人たちが、この場所と関わりをたくさん持っていけるような取り組みを実施していきたいと思っています。