【レポート】呉夏枝「編むワークショップ〜ニットキャップ人形編〜」をスタートしました
2013年11月26日(火)更新レポート
kioku手芸館「たんす」は、呉夏枝さんの作品制作の過程として、編み物にまつわるワークショップを週2回程度行いながら、地域の女性たちが集い、語る場--記憶をほぐす場--をつくっています。
北門通りに「たんす」をオープンして、ワークショップを行うようになってから、より多くの方々と出会う機会が増えました。そんななかで出会ったのが、「編むワークショップ」のモチーフとなったニットキャップ人形です。
「たんす」の前をとおりがかったNさんが立ち寄ってくださり、『ご近所のYさんのところに、同じ目数で編むだけでできあがるかわいらしいニットでできた人形があるのよ』と教えてくださいました。興味津々で話を聞いていたら、すぐにNさんがYさんのお宅に連れていってくださいました。
Yさん宅で出会った人形はなんとも言えないあいらしさで、玄関にたたずんでいました。この人形をつくったのはご近所のKさんで、他の方にもプレゼントされていたとか。他の子はどんな表情をしているのだろうか。探してみたくなりました。 (「たんすレター」第5号 呉夏枝さんのメモより)
この出会いをきっかけに、呉さんが人形の編み図を起こし、9月から開催しているのが「編むワークショップ〜ニットキャップ人形編〜」です。
これまで山王女性会や萩之茶屋手芸クラブ対象の日、一般対象の日というかたちで、計5回の編むワークショップを開催してきました。
ワークショップでは、これまで地域で集めてきた、"家庭で眠っていた毛糸"を使ってこの人形を編んでいきます。「たんす」が発行している通信「たんすレター」第5号に編み図を掲載していたので、すでにご自宅で編まれて、さらにいろんなアレンジをされている方も多くおられました。
ソバージュヘアにしたり、マフラーやかばんを持たせたり、目数を変えてキーホルダーにしたり。持ち帰って完成し、他の開館日に見せにきてくださる方も多く、来られるたびに、どんどん数やバリエーションが増えています。
また、「編むワークショップ」を始めてから、地域の内外の方たちとの出会いが増えて、自作の編み物を見せていただいたり、編み物にまつわるお話を聞かせていただいたりしています。他の開館日にも、編み物に興味がある子どもや、手芸好きの20〜30代の方など、多世代の来館者が増えてきて、「たんす」はますますにぎやかになってきました。
「編むワークショップ」は、12月5日(木)、21日(土)にも開催しますので、ふるってご参加ください。編まれた人形は、来年2月に開催する展覧会で展示させていただく予定です。(お借りした人形は、展示期間終了後に返却いたします。)
呉さんはこのワークショップを通じて、地域で集まった糸が別の場所へ広がり、つながっていく様子を想い描いています。
「ワークショップには参加できないけど編んでみたい」という方には、キット材料をお渡しすることもできますので、こちらまでお問い合わせください。
写真:2013年10月27日 「編むワークショップ〜ニットキャップ人形編〜」より
撮影:草本利枝(トップ、記事中1〜6枚目)、ブレーカープロジェクト(記事中最下段)