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【パラモデル】9/24(土)「レジデンス・パラ陽ケ丘」まち歩きツアー開催

2016年9月24日(土)お知らせ

【パラモデル】9/24(土)「レジデンス・パラ陽ケ丘」まち歩きツアー開催

「レジデンス・パラ陽ケ丘」のナイトステイプログラム秋期募集に先駆け、パラモデル・中野裕介のナビゲートのもと「新・福寿荘」〜「四天王寺」までのまち歩きツアーを開催します。

Breaker Project ドキュメントブック

2016年7月21日(木)更新お知らせ

これまでに発行したドキュメントブックを紹介します。> 購入方法はこちら






Breaker Project 2014 -2015 Document Book「場所」

2014〜2015年度にかけて「地域に根ざした創造活動拠点の実験」として、きむらとしろうじんじん、薮内美佐子、パラモデル、草本利枝、大友良英、PIKAなど、多数の美術家や音楽家と実施してきたプロジェクトの活動をまとめたドキュメントブックです。
本書では、特に2011年以降取り組んできた空き家や廃校跡など地域資源を活用した創造活動拠点にテーマを置き、それぞれのプロジェクトごとに異なる切り口で活動内容を紹介しています。

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・仕様 :B5判・48P(P.1-16、P.33-48_モノクロ/P.17-32_カラー)
・定価:1000円
・デザイン:髙橋静香
・編集:竹内厚/雨森信
・翻訳:吉村亜也子/長坂有希

-目次-
・本誌について
・座談会「作業場をつくってみる!」
・サードプレイス化するkioku手芸館「たんす」
・木造アパートからレジデンス拠点へ「新・福寿荘」
・西成・子どもオーケストラによる「いまみや・踊る・秋祭」
・まちから見た ブレーカープロジェクトの姿
・変化し続けるアートプロジェクトの現場と継続への挑戦 雨森 信
・アーティストプロフィール
・プロジェクト実施データ


Breaker Project 2011 -2013 Document Book

2011年度から2013 年度にかけ、4名のアーティスト、梅田哲也、呉夏枝、大友良英、山田亘と共に継続して取り組んできたプロジェクトのドキュメントブックとなります。3年間の継続事業という、ブレーカープロジェクトにとっても初めての試みのなか、アーティストそれぞれの志向や手法は異なるものの、これまでのプロジェクトとはまた違った拡がりをつくることになり、有意義で意義のある活動が生み出されました。ドキュメントブックでは、「現場」で起こっていることを取捨選択して記録していくことに毎回悩みつつ、3年分の活動を一冊にまとめました。

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・仕様 :A5判・44P(P.1 -24:カラー/P.25-:モノクロ)
・定価:700円
・デザイン:髙橋静香
・編集:竹内厚/雨森信
・翻訳:吉村亜也子

-目次-
・ブレーカープロジェクト ex・pots 2011-2013 について 
・梅田哲也「小さなものが大きくみえる」「O 才」  
・呉 夏枝「光のけはい、ゆらめく影」   
・大友良英「西成・子どもオーケストラ」  
・山田 亘「西成なるへそ新聞」   
・地元の声  
・街は記憶でできている
 - 新たな記憶を創造するアートプロジェクト -  伊藤俊治 
・日常化するアートの実践  雨森 信  
・座談会「3年という時間の中で育まれたもの、そしてその先へ」       
・プロジェクト実施データ        
・アーティストプロフィール 



Breaker Project 2006 -2010 Document Book

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・仕様 :A5判・80P・オールカラー
・定価:1,000円
・デザイン:marqmew
・編集:竹内厚/雨森信
・翻訳:吉村亜也子/つかもとやすこ


-目次-
 ・Breaker Projectとは
 ・絶滅危惧・風景 2009-2010
 ・これまでのBreaker Project 2006-2008
 ・地元の声
 ・「新世界」試論        山田創平
 ・パブリックなアートの考察   吉澤弥生
 ・持続可能なまちとアートの関係 雨森 信
 ・開催データ
 ・参加アーティストプロフィール
購入方法
こちらより必要事項を入力し、ご送信ください。折り返し、購入方法をご連絡いたします。

購入代金=本代+送料
単価
「Breaker Project 2014-2015|場所...1,000円
「Breaker Project 2011-2013   ......700円
「Breaker Project 2006-2010   ...1,000円

セット価格
3冊セット...2,400円
2冊セット...合計金額より200円引き

送料...99円(クロネコDM便)
※5冊以上購入希望の方は送料が別途必要となります。

 


【きむらとしろうじんじん】作業場あいてます!−実験その6−

2016年5月22日(日)、6月26日(日)お知らせ

【きむらとしろうじんじん】作業場あいてます!−実験その6−

旧今宮小学校にて発見された陶芸窯を中心に、昨年の4月より美術家のきむらとしろうじんじんらとともに、校庭に残る陶芸窯を中心として地域に開かれた作業場づくりを実験的に行ってきました。5月以降も継続的に「作業場」をオープンします!

【薮内美佐子】展覧会「喫茶たんす 雑音の界隈の鼻歌が 雑音の彼方の鼻歌に 変わるさま」

2016年3月17日(木)〜21日(月・祝)【kioku手芸館「たんす」】お知らせ

【薮内美佐子】展覧会「喫茶たんす 雑音の界隈の鼻歌が 雑音の彼方の鼻歌に 変わるさま」<br>

美術家の薮内美佐子が、<kioku手芸館「たんす」>を拠点に約2 年にわたって継続してきたプロジェクトの展覧会を開催します。

【きむらとしろうじんじん】作業場をつくってみる!−春支度のススメ−

2016年3月19日(土)、20日(日)、21日(月・祝)お知らせ

【きむらとしろうじんじん】作業場をつくってみる!−春支度のススメ−

少し暖かくなる3月は3日間連続で「作業場」をオープンします。春支度をしながら、作業場の今後について、みなさんと共にいろいろ考えたいと思います。

/ / / / / 連続トーク / / / / /

2016年2月18日(木)更新地域に根ざした創造活動拠点の実験

3/1(火)|ギャラリー・トーク
これまでの草本の活動とともに、今回の制作プロセスにおけるエピソードを紹介。このまちで「写真を撮ること」、記録と表現について考えます。


skusamoto.jpg草本利枝(写真家)

写真家。大分県別府市生まれ。京都市在住。第11、12回写真「ひとつぼ展」(1998年)入選。東京で雑誌などを中心に活動したが、2005年京都に拠点を移す。2007年PUNCTUM(東京)にて個展。 別府現代美術フェスティバル「混浴温泉世界」ではメインビジュアルの撮影を担当するほか、別府市の倉庫を自ら改装しギャラリーを開設、個展を開催。またダンサーと障がいがある人のワークショップ、ALS患者の独居支援プロジェクトなど様々な身体の交流する「場」を撮影。東日本大震災以降、宮城県女川町で日常を失ってしまった人々と共に表現と活動の場を作り出すことを目指す「対話工房」に参加。仮設に暮らす小学生の成長の記録を続けている。

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3/3(木)|社会と関わるアートを考える
1990年代以降、日本全国において拡がりを見せる「アートプロジェクト」。現実の社会と関わる様々なアートの実践を研究する3名のゲストと共に、各地のアートプロジェクトやブレーカープロジェクトの活動について分析、考察します。


sasa.jpg笹島秀晃(都市社会学/大阪市立大学大学院文学研究科教員)
大阪市立大学大学院文学研究科・専任講師(社会学)。近年は、都市における美 術制度の変化に注目し、20世紀のニューヨークやロンドンの比較研究 を行って いる。主な業績は、「SoHoにおける芸術家街の形成とジェントリフィケーショ ン」(『日本都市社会学会年報』、2014年)、「アート による地域再生の今日 的様相:横浜市初黄・日ノ出町における安全・安心まちづくりと芸術不動産事業 に着目して」(『ヘスティアとクリオ』、 2011年)。


stakeda.jpg竹田恵子(文化研究、パフォーマンス研究/東京大学情報学環教員)
博士(学術)。東京大学 情報学環 特任助教/お茶の水女子大学 リサーチフェロー。立教大学ほか非常勤講師。「社会の芸術フォーラム」発起人、運営委員、事務局。論文に「1990年代日本におけるHIV/エイズをめぐる対抗クレイムのレトリック分析―古橋悌二の言説を中心に」『年報社会学論集 第24号』(2011)、「ダムタイプによるパフォーマンス「S/N」(1994年初演)における引用の様態と作品構造」『日本演劇学論集 第58号』(2014)などがある。

syoshizawa2014_s.jpg吉澤弥生(芸術社会学/共立女子大学文芸学部教員)
NPO法人地域文化に関する情報とプロジェクト[recip]理事、NPO法人アートNPOリンク理事。近著に論文「労働者としての芸術家たち」(『文化経済学』39号、2015)、「大阪の現代芸術事業の周辺で起きたこと」(『上方芸能』191号、2014)、単著『芸術は社会を変えるか?』(青弓社、2011)など。










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3/5(土)|大阪ディープサウス秘史
『通天閣 新・日本資本主義発達史』の著者、酒井隆史氏を招き、草本が今回展示するまちの風景やポートレート、また住民から集めた昔の写真を素材にこのまちの知られざる秘話から歴史を紐解きます。
聞き手>>草本利枝

sakai_t.jpg酒井隆史(社会思想/大阪府立大学人間社会学部教員)
1965年生。社会思想史、都市文化論。大阪府立大学人間社会学部教員。主な著書に『自由論』青土社、『暴力の哲学』河出書房新社、最近著に『通天閣------新・日本資本主義発達史』青土社。翻訳にマイケル・ハート、アントニオ・ネグリ『<帝国>』以文社(共訳)、マイク・デイヴィス『スラムの惑星』(監訳)などがある。




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3/8(火)|地域に根ざした創造活動拠点:kioku手芸館 たんす」
西成区山王にある元タンス店を活用した「kioku手芸館 たんす」を拠点に、地域の女性たちを中心とした参加者とともに創作活動を行ってきた薮内が、2年に渡るプロジェクトを振り返ります。また『今日の限界芸術』の著者、福住廉氏を招き、「たんす」に集まる住民たちの作品や創作にスポットをあて、誰もがもつ秘められた創造性の原点に迫ります。


sfukuzumi.jpg福住 廉(美術評論家)
美術評論家。1975年生まれ。著書に『今日の限界芸術』など。「artscape」、「共同通信」で毎月展評を連載しているほか、展覧会の企画も手がける。おもなキュレーションに「今日の限界芸術百選」(まつだい「農舞台」)など。現在、東京藝術大学、女子美術大学、多摩美術大学非常勤講師。





misako.jpg薮内美佐子(美術家)
1964年生まれ。絵画、アニメーション、編みぐるみ、詩などをゆっくりしたペースで発表。1984年よりdumb typeにて活動。また他アーティストと共同で ショウやハプニングを発表。近年は 高谷史郎パフォーマンス作品 3作に参加。 HAPPY SPOT NARA 2014 - 2015に参加。2013年より音楽ユニット 山/完全版を作り活動中。身の回りに起こる出来事の新たな側面や組み合わせの妙に好奇心を持ち探求したいと思っている。




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3/10(木)|教育×福祉×芸術文化:協働の可能性
ブレーカープロジェクトでは、活動するエリアの町会や商店街、学校、福祉施設などと積極的に連携を図っています。本トークでは、これまでのプロジェクトで深く関わりのある3名の方をお招きし、活動を振り返りながら、分野を超えた協働の可能性を探ります。


kawasaki.jpg川﨑洋幹(社会福祉法人山王みどり会 社会福祉士)
1980年京都府生まれ。社会福祉士。社会福祉法人山王みどり会山王地域在宅サービスステーションみどり苑施設長。教員を目指し教職課程を履修していたが、作業所での実習体験から福祉の世界へ進もうと決心し西成区の建具屋さんに就職。現在に至る。






nishino.jpg西野伸一(わかくさ保育園/にしなり☆あそぼパークproject)
1973年大阪府生まれ。保育士。社会福祉法人石井記念愛染園「わかくさ保育園」主任。それまでは同法人「愛染橋保育園・児童館」で13年、「今池こどもの家」で4年勤務する。現在、2000年に発足した西成区で活動する様々な団体が登録する「わが町にしなり子育てネット」事務局次長。同ネットが取り組む「にしなり☆あそぼパークProject」代表。





shayashida.jpg林田照男(大阪府立西成高等学校教員)
1972年大阪市西成区山王町1丁目に生まれる。
大学に行くまでの18年間をこの地で過ごす。両親健在で今も在住。大学では仏像の研究を行っていたが、人間相手の仕事の方が楽しい思い、大阪府立高校教員に。岸和田の学校を経て、10年前に西成高校へ赴任。現在教頭。






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3/12(土)|地域に根ざした創造活動拠点:作業場をつくってみる!
2015年3月で閉校となった今宮小学校で取り組んでいるプロジェクト「作業場をつくってみる!」は、運動場の片隅に眠っていた陶芸窯との偶然の出会いがきっかけとなっています。現在、この陶芸窯を中心に地域に開かれた創造活動拠点を地域の人々と共につくっていこうとプロジェクトを試行中。現場に関わるアーティストやスタッフを交え、今後の展望を語り合います。


jinjin.jpgきむらとしろうじんじん(美術家)
1967年新潟県生まれ。京都在住。京都市立芸術大学大学院美術研究科で陶芸を学ぶ。1995年より、大小2台のリヤカーに、陶芸窯・素焼きのお茶碗・うわぐすりなどの陶芸道具一式と、お抹茶セット一式を積んでまちの様々な場所に あらわれる移動式カフェ - 旅回りのお茶会「野点ー焼立器飲茶美味窯付移動車」を全国各地で開催している。また、2010年度〜2013年度には東京アートポイント計画の一環として、東京都台東区谷中界隈を舞台にしたアートプロジェクト「ぐるぐるヤ→ミ→プロジェクト」に関わる。



sBuBu_photo|Ayaka-Umeda.jpgブブ・ド・ラ・マドレーヌ(美術家)
アーティスト。時々ドラァグクイーン。パフォーマンスや映像、テキスト等を使って制作している。1992年以降はHIV/エイズの予防とケア、セックスワーカーの性的健康、触法障碍者・高齢者の福祉にも携わる。http://www.otafinearts.com/ja/artists/bubu-de-la-madeleine/











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>>草本利枝 写真展+連続トーク「二シナリにfenceはないと猫は言う」開催概要はこちら

|お申し込み方法|
こちらより必須項目及び、メッセージ欄に、①参加日 ②参加人数を明記のうえお申し込みください。
なお、定員に達しなかった場合は、当日の受付も行います。

【草本利枝】写真展 + 連続トーク「ニシナリにfenceはないと猫は言う」

2016年3月 1日(火)〜3月12日(土)お知らせ

【草本利枝】写真展 + 連続トーク「ニシナリにfenceはないと猫は言う」

2011年より西成区山王を拠点に、地域に根ざした創造活動を展開してきたブレーカープロジェクトは、写真家・草本利枝によるこのまちの撮り下ろし作品を発表するとともに、展示空間に「話す場」を併設し、様々なゲストを招いて連続トークを開催します。

これまで、故郷である大分県別府や東日本大震災以降の宮城県女川町など、長期に渡って場所や人と向き合い、幾重にも重なる記憶の層を想起させる写真を撮り続けてきた草本。今回は西成のまちに滞在し、ここで暮らす人や訪れる人々、様々な人生が交差するまちの記憶をたどりながら、変わりつつある西成の「いま」を記録。風景、スナップ、ポートレートのほか、ここで出会った人々からお借りした昔の写真も合わせて展示します。

「話す場」では、本展アーティストの草本利枝のほか、「地域に根ざした創造活動拠点の実験2014-2015」に関わったアーティストを交え、そのプロセスを振り返るトークを実施します。また、社会学、地域福祉、教育など、他領域の研究者や実践者を招き、この場所や地域と関わるアートプロジェクトについて、多角的に掘り下げていきます。展覧会と共に是非ご参加ください。

>> フライヤーはこちら
>>「連続トーク」詳細はこちら


■開催概要 / / / / / / /

草本利枝 写真展+連続トーク
「二シナリにfenceはないと猫は言う」

会 期|2016年3月1日(火)〜12日(土)11:00-19:00 ※休館日:7日(月)
料 金|無料(トークは別途有料)
会 場|大阪府立江之子島文化芸術創造センター[enoco] 1F
アクセス|地下鉄千日前線/中央線「阿波座駅」⑧番出口より西へ約150m ※MAPはこちら

パラモデル 中野裕介による『レジデンス・パラ陽ケ丘』解説文

2016年2月13日(土)更新プロジェクト

パラモデル 中野裕介による『レジデンス・パラ陽ケ丘』解説文
『レジデンス・パラ陽ヶ丘』のためのプランニング|パラモデル

Courtesy of MORI YU GALLERY

『レジデンス・パラ陽ケ丘』解説文

パラモデル 中野裕介

新・福寿荘は、上町台地の中央部西端の斜面に建っています。新世界や飛田新地・釜ヶ崎など周辺界隈の、都市空間や出来事の移ろい、どこか暴力的でもある変容の波を、約60年の間、高台で静かに受け止め、耐え、眺めてきたマージナルな砦...といった面影も浮かびます。
実にこの場所は昔、今よりも大きな大阪湾を望む海際だったようです。程近くにある、日本最古の仏寺として歴史ゆかしい四天王寺は、その海に面して建立されました。中世のある時期、聖俗入り乱れた人々でごった返す寺院では、西の水平線に近づく夕陽に阿弥陀仏や西方極楽浄土のイメージを重ね、皆が海に向かって熱心に祈るムーブメント「日想観」が起こり、今の「夕陽ヶ丘」という地名のルーツとも云われます。
そんな海辺の四天王寺~河内地方が主な舞台の「俊徳丸伝説」(しんとく/信徳/身毒丸とも)という物語群があります。中世以降、説経節や歌舞伎・浄瑠璃・落語・小説や現代劇の題材として繰り返し変奏され、今もバージョンは増え続けていますが、最も古い能楽・謡曲版『弱法師』は、特に抽象的で、物語の骨格を示す、簡素な模型のようです。主人公の少年・俊徳丸は、父親の勘違いにより不幸にも河内高安の家を勘当され、悲しみのあまり盲目となり、杖をつき、乞食同然の芸能者としてよろめき彷徨ううち、ある春の彼岸の中日、四天王寺(貧窮者や病人が集う施設「悲田院」もあった)に辿り着きます。そこで偶然にも施行に来た父親と再会、様々なやりとりをし、その夜、高安の里に共に帰って行く、という筋書きです。俊徳丸は、傷みを抱えつつも何か健気で明るい印象があり、石鳥居から西の海に向かい、見えない眼や全身で、極楽浄土に見立てた夕陽の光を感じる終盤の場面では、脳内でイマジネーションを爆発、心の眼で絶景を観て、「満目青山は心にあり、おう、見るぞとよ見るぞとよ!」 と歓喜する姿が描かれます。
僕は近年、この説話に強く惹かれてきました。欠如と創造の関係性、空想の可塑性と儚さ、理想郷の模型性、他者との共立問題など、抱えてきたテーマが圧縮され、殆どパッケージされているように思えたのです。極楽 Paradise や、僕達のユニット名の頭につく「パラ Para」は、古くはインドのサンスクリット語、仏教用語に頻出し、洋の東西を問わず、様々な言葉につく接頭語ですが(梵 [Para:最高の、Param:彼岸の、Paramita:最高の智慧{波羅蜜}] 、英 [Para-:~を超えて/離れて/寄り添って] )、宗教の領域だけに収まらない、その不可思議な言葉自体に魅力を感じ、いつも遊戯的に用いています。
かの海が、今となっては立ち並ぶ建物や高速道路、電柱の海に姿を変え、通天閣はその海面から一際目立って顔を出し、あべのハルカスが更に巨大な灯台として水平線の果てをいつも望んでいる現在。新・福寿荘が佇む境界の丘、この地層深くに染み込む物語をベースに、よろぼう少年の想像力や歓喜、彼の心眼が観たヴィジョンに寄り添いながら、Paraの光を全身で感じられる部屋――そんなイメージで「レジデンス・パラ陽ヶ丘」の構想を始めました。
この部屋は少年の頭部といってもよい。彼のパラドキシカルな眼としての窓を通し感じる、夕暮れの空の光、 幻の海、かなたの眺め。傷を受肉してしまった身体の条件を、影向の光に触発された創造力で乗り越え、空想の中をたゆたう脳内遊びは、どんな立場の人間をも奥底から歓喜に誘うものにならないか?そして、この場所で起こり、幻のように消えては生まれ続ける幾つもの出来事、リアルとイマジネーションの間にある悠久の変遷をも、この海辺こそは全て知っている気がするのです。

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【きむらとしろうじんじん】作業場を作ってみる!-実験その4-

2016年2月 6日(土) 、20日(土)、21日(日)、3月5日(土)、19日(土)、20日(日)、21日(月・祝)お知らせ

【きむらとしろうじんじん】作業場を作ってみる!-実験その4-

美術家・きむらとしろうじんじんと共に、西成区今宮地域にて展開するプロジェト。
2014年度で閉校となった今宮小学校に残る陶芸窯を中心として、地域に開かれた作業場をつくっていこうと、実験的にプロジェクトを進めています。

現在は、廃材を使った木工作業や美術家・ブブ・ド・ラ・マドレーヌさんによる積み木づくり、また、地域のみなさんとつくる畑(学習園を再利用)では、作物を育てるだけでなく生ゴミから堆肥をつくる土作りなどにも挑戦するなど、さまざまな創造活動が生まれつつあります。興味のある方は、子どもから大人までどなたでも参加いただけますので、ぜひ一度遊びにきてください!

※作業場では、窯焚きの一連の作業をマスターする「陶芸窯を使ってみる!-実験その5-」も同時開催中です!詳細はこちら

【きむらとしろうじんじん】陶芸窯を使ってみる!-実験その5-

2016年2月 6日(土)、20日(土)、21日(日)、3月5日(土)お知らせ

【きむらとしろうじんじん】陶芸窯を使ってみる!-実験その5-<br>

2015年4月より美術家のきむらとしろうじんじんと共に、閉校となった旧今宮小学校に残る陶芸窯を中心に地域に開かれた作業場を作ろうと定期的に「作業場」をオープンしています。
1月からは、陶芸窯を活用していくために、4回連続で<窯焚き講習>を実施します。

また、「作業場をつくってみる!−実験その4−」も同時に開催中!
「廃材でつくる積み木づくり」「学習園を再利用した畑づくり」なども引き続行っております。
子どもから大人までどなたでも参加いただけますので、一度あそびにきてください!

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Document Book 2003-2023

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